10年ぶりに3次元の芸能人を拗らせた2次元オタクの話

サブタイトル:遅咲きのヒマワリ

 

 

10年前。私は生粋のテレビっ子だった。
バラエティ番組が大好きで、エンタの神様とか、レッドカーペットとか、いろんなお笑い芸人のネタを見てはゲラゲラ笑って。気づいたら関西弁が移り。友人の前で母親を「オカン」と呼ぶなど関西人に殺される所業をしまくり、そして笑いすぎた結果笑いのツボがめちゃくちゃ浅くなり何かとすぐ笑うようになった。そんな小学生時代を送っていた。
端的に言うと、バカだ。
そんなバカな自分がとても好きだったバラエティ番組の中に、あるひとつの番組がある。
それは「クイズ!ヘキサゴンII クイズパレード」である。
2006年から放送されたフジテレビのクイズ番組。私は気づいた時からそれを見始めており、家族全員で夜食を食べたらリビングのソファーに座って見る。時には当時小学校高学年だった姉が母と一緒に脳解明クイズを必死に解いたり、早押しクイズで出演者よりも早く答えを口にしているのを、クイズ要素よりも芸人の掛け合いや底抜けドボンクイズのドボン要素で爆笑していたバカな私と一緒に楽しんでいた。
そして、ヘキサゴンといえば。
Pabo」を初めとした、ヘキサゴン出演者―ヘキサゴンファミリーで構成された音楽ユニットでも有名だった。
私はその中でも社会的旋風を起こしたとされる男性3人組グループ、「」にめちゃくちゃハマっており、ハマりすぎて初めての道外旅行は東京、というかお台場合衆国を選ぶほどだった。羞恥心のボールペンを買った。インクが出なくなっててつい最近捨ててしまった。まあそんなことがあるくらい彼らのことが好きで、ユニットデビューしてからというものの彼らの姿が見たくて毎週見ていたと言っても過言ではない。
そしてユニットにハマると絶対あること。「誰派?」問題。箱推し、単推し、人によって様々で、そして人によっては答えを言うことで同担拒否等で戦争が起きる、とても複雑な問題だ。
まあテレビ放映でラスサビ部分ソロだったりで、今となって考えればなかなか美味しい部分をとっていた上に、場酔い的な感じで周りの歓声に流されたこともあるかもしれないが。私は担当、上地雄輔が大好きだった。当時あまり見ないギラギラの金髪から放たれる、外見通りの元気で真っ直ぐで、常に全力で生きている姿と、歌の時の大人〜な感じのギャップが、小学校低学年の私の心を射止めたのである。

というわけで、10年ぶりに上地雄輔にハマりました。おわり。

いや、
なんでだよ。
ひまわりだとかとは無縁なくらいのド陰キャオタクじゃんかよお前。
いや必ずしも無縁じゃないけど…………いやでも2次元で好きなアイドルのイメージ花がひまわりだったこととか最近好きなVtuberの名前がひまわりだったこととかは………あるけど………3次元においてはないんですけど…………
3次元の人間なんてここ数年ハマった経験ほっとんどないでしょう。
なんで?と言いたいのは一番私なんだけど。
・過去のブログを遡る(後述するが前にブログでギネスを2回取っている、2007年から2019年に渡って更新されているブログであるという部分からどれだけの物量なのかを理解して欲しい)
・過去の楽曲のインタビュー記事を片っ端から漁る
・動画とか色々見たり聞いたりしてて休日続きということで就寝が朝6時以降の日々を4日くらい過ごしている
・インスタも活発なので追うためにインスタを始めるかめちゃくちゃ悩んでいる
・バイトや大学行く前の天気チェック、暇な時に映画を見るためくらいしか自分にとって用途がなく、あと親が適当にかけたチャンネルの音声を聞くくらいしかリビングのテレビを久しぶりに自分からつけてゴールデンタイムのレギュラー番組(この差ってなんですか?)をリアルタイムで見た
・12月に北海道に来ると聞いてファンクラブ入るか本気で検討している
等等。
これはもう、誰がどう見てもハマっていると言っても過言ではないでしょうか?いや、過言ではない。

そもそも上地雄輔って誰やねんって感じの人もいるかもしれない。
高校時代はあの松坂大輔とバッテリーを組むキャッチャーで、セレブと貧乏太郎とかROOKIESとか有名なドラマに沢山出たり、漫才ギャングでアカデミー新人賞取ったりする俳優でありながら、沢山歌って踊って曲も作ってギター弾いてドラム弾いてもする歌手「遊助」でもあり、ヘキサゴンを始めとする多数のバラエティ番組であの独特なトークや体を張ったりする(見た映像の中にドッキリとはいえガチのお笑い芸人が入るような熱湯風呂に入ってるものがあった)元野球児兼現俳優兼歌手兼タレントとかいうなんかもうとにかくすごい人である。
しかも交友関係が広く、プロ野球選手やプロゴルファーや芸能界の大御所や…インスタを見れば一目瞭然なのだが、なんかもうとにかく色んな人と仲が良い。あと外見もだけど顔文字の使い方がとても今年4………歳とは思えないほどの若々しさを持っている。
特にそれと言って秀でた特技もなく、運動させたら次の日100%の確率で筋肉痛、ギターは1ヶ月で投げ出した、友達と言える人物なんて指で数えられるほどでしかない。そんな自分とは真逆な人間だ。
じゃあなんでこんなことになってしまったかというと。

確か………いつものように(私はVtuberのオタクなのでYoutubeを生活必需品のレベルで利用している人間だ)Youtubeを開いた時。2次元のイラストがサムネの動画ばかりのおすすめ動画一覧にヘキサゴンの珍回答まとめ、みたいな動画があった。3次元の人間のサムネだ………というのと、懐かしいな………と思い、ついクリックしてしまった。ああ、懐かしいな………この回確か見たわ………と思いながら見ていて、そんな時ふと思った。
あれ、今遊助ってどうしてるんだろう?と。
そんな今となってはろくにテレビを見ないオタクはYoutube遊助を検索。そして引っかかった動画がこれ。 

youtu.be

元々「ひまわり」が発売当時から好きで、そもそも姉も好きだったので彼女の手によって我が家のiTunesにCDが入っていて(今となっては大変ありがたい話である)時々聞き返していたのだが。そんな曲の10周年PV。もうあれから10年…!?!?と脳をバグらせながら動画を開くと。
10年前とほっとんど変わらない顔立ち。(めちゃくちゃかっこいい)(後からその時アラフォーと知って絶句した)
武道館会場前でタオルを広げるファン(crew)。
会場一面に広がる黄色。
動画に流れるコメント、「10年経ったらやめようと思った」「顔を上げたらみんながいてくれたから続けようと思った」。
10年という年を経て、彼は、彼らは、大きく成長していた。
そんな姿に圧倒され、ライオンで遊助の歴史が止まっていた私の頭は再び再稼働を始め、チャンネルにある曲を片っ端から聞いた。
全部好き。ってなんかよくタイトルは聞いてたけどあれ歌ってるのそうだったんだ…とか、ポケモン歌ってんの!?!?とか驚きつつも殆ど聞き終え、ライブ映像のダイジェストがあったのでそれを見た。
のだけれど。

youtu.be

何、この完成度。
めっちゃ楽しそう、めっちゃ面白そう。
めっちゃこの会場に飛び込みたい。
羞恥心歌ってるのビビったんですけど。

本当、10年という年月を経てこんなことになってるなんて思いもしていなかった。10年前は小動物みたいな印象あったんですけどめっちゃ男らしくてクッソカッコいい。あまり軽率に使いたくなかったけどとても顔がいい。
そして大まかに調べていくと、ライブ演出は遊助自身によるものだということを知り。なん……なんだ……天才なのか……????いや天才だったわある意味…………(珍回答を思い出しながら)と更にライブや楽曲について調べていく。
そしてぶち当たったのが。
神児遊助」。
あのギネス記録を2個取ったとされるブログ。
コメント数最多、ユーザー重複なしでブログ閲覧数最多。
それ故に、更新頻度も高い。今でこそはそうでもないが、全盛期は一日複数投稿が多く、ブログ更新されてないだけで行方不明疑惑がマスコミで上がるくらいだったらしいほど。
そりゃあ、睡眠時間も削られるってもんでしょう。

10年前の私は機械に疎いのと、ブログに何故か恐怖心を抱いていたのでああギネス取ってるんだすごいなあで終わっていたのだけれど。実際10年が経ち、少しずつ精神性が大人に近づいた今見てみると、彼のすごい部分がどんどん見えてきた。
10年前、アイドルみたいにキラキラしていて、本当に芸能界を楽しんでいて、何ひとつとして苦がなさそうだと思っていたけれど、実際のところはそうでもなく、当時は睡眠時間が1時間だったりがかなり続いていて大変だったということ。
おバカおバカ言われていても能天気だなあと10年前は思っていたけれど、ブログでは物凄く考えて生きていることがわかる数多くの閲覧ユーザーや色んな人に対しての叱咤激励、教訓の数々。そして、それはそういうキャラ付けとかではなく、心からそう思って言っているとしか思えないほどの量と思いであったこと。
いつ寝てるんだ、いつ曲作ってんだと思うくらいの忙しさ、交友関係の広さ。あとなんであんだけ飲んでるのにそんな健康そうなんだ、というか人間ドック画像上がってる記事読んだけどなんでそんな健康なんだと思うくらいの酒飲みであったこと。
何事にもその時出せる全力を出して取り組む超負けず嫌いであること。
そして結婚して二子を儲けていたこと。(これが一番ビックリした)
そこには、「羞恥心や遊助でステージやテレビでキラキラしている上地雄輔」ではなく、「芸能人の一人に過ぎない、男臭い一面が沢山詰まった男性である上地雄輔」の姿があった。
勿論、そこには「上地雄輔」だけではなく「遊助」の姿もあり。
1番度肝を抜かれたのがこれ。

lineblog.me


「いちょう」という曲も、10年前から好きな曲の一つだった。特にPVが印象に残っていて、いちょうが降り積もる中クラシック、カノンを奏で、それに乗せて歌われる曲。
けれど、10年前。恋愛なんて少女漫画くらいの知識しかなく、今みたいに悲恋よりも結ばれる恋愛が大好き、というか、恋愛に別れなんてあるの?みたいな恋愛観を抱いていた小学生は、いちょうの歌詞で思ったのである。
「なんで『ありがとう』って言ったのに『ごめんね』なんて言うの?」「なんでPVの最後で女の人は『ありがとう』って言ったんだろう?『ごめんね』って言ったのに」と。
その答えが10年の時を経て明かされた。「『いちょう』は余命を宣告された彼女と恋人の男の話」だと。
それなら「さよなら」と言うのに「ありがとう」とも言うし、「あと何日あなたといれるかな」とも言うよな、と、10年越しに疑問が解決されたのである。
………いや、天才なのではないか?
こんなストーリーや思いがこもった歌詞を、あんな………あんな………当時おバカおバカ言われていた彼の頭から飛び出ていたとは………と、そもそも作詞が彼だったことも知らなかった私はとにかく衝撃を受けた。衝撃受けすぎて体が後方に吹っ飛んだ。iTunesに同じく入っていたので改めて聞き直して感傷に浸ってしまった。今もいちょうを聴きながら書いている始末である。

そんなこんなで、彼の人間性や、私が知らなかった10年と数年を見終え。見終えて、改めて先程のひまわりのPVを見た。
深夜に大号泣する自分がいた。
ミツバチとか一時ニコ厨の間で全力でネタにされたり、Sunshineとかドストレートすぎて逆にびっくりしてしまうような応援歌、メッセージ性が強い「はちゃめちゃな言葉」の曲もある。
ブログの更新頻度が落ちてマスコミが失踪疑惑を立てたり、大震災での動揺、芸能人としての自分の「父」である存在が引退したことがあって「心配かけた」こともあった。
当時のことはわからない、けれど、彼のストレートな言葉でファンを「傷つけた」り、イタズラっ子気質故に「迷惑かけた」こともあるかもしれない。
中学時代は高校野球部から何十校からスカウトが来ていたり、あの野球よく知らない自分でも知ってる松坂大輔とバッテリーを組んでたり、野球部時代に明石家さんまと出会って、当時から面白がられていたり、元首相にCD手渡して笑顔の写真がブログに上がっていたり、なんかもうとにかくこんな友達もおらず人生においても賞とか殆ど取ったこともない、ド陰キャな自分からしたら「ムチャクチャ」な人だ。
その分楽しいことは勿論大変なことだってあった。あの人は「最高の出逢い」しかなくて人生楽しそうだなと10年前は思っていたけれど、知らないところで「悲しいお別れ」も沢山経験していた。

それでも彼は、この10年を歩き続けた。
ファンの声があったから。
沢山の人間が、彼を支えてくれていたから。
PVは勿論、ブログを読んでいても、「ファンの声があったから続けられるんだ」とか、ファンに対する思いが真摯で大切であることは伝わっていた。何よりも「ひまわりはファンの皆を喜ばせたいと思って作った」と言うだけあって、「遊助」になる前のファンや自分のことが纏められていた歌なのだと気づき、10年前の彼を見ていた自分はボロボロに泣いてしまっていた。
上地雄輔物語のドラマを見ていたので、これは1年の時に組んでいたバッテリーの投手への歌なのではないかと10年間ずっと思い込んでいたが故に。それも含め、彼が今まで支えてくれた人への感謝や思いを綴った歌なのだと気づいてしまって。Cメロでは目元がぐちゃぐちゃで映像が見えなくなってしまっていた。

引きこもり気質で、ゲームやアニメが大好きで、友達も少なく、髪なんて一生染めてやるもんかと思うほどの人間が。
アウトドア派で体を動かすことが好き、同世代は勿論先輩や後輩、他国や大きく年の離れた一般人とも仲良くなれる、最近は落ち着いてきたけれど、全盛期は髪色や髪型をいじりまくっていた人間の。
支えになりたいと、強く思った。

きっとこんな気持ちは10年、というか離れて年月を経てないと抱くことは無かったと思う。
大学生になり、しかもバイトを夏から始め自由時間が少なく、夏休みはだらーっとTwitterや配信やゲームをして過ごしていた自分にとって、この夏はしんどいものでしかない。そんな時、「yellow bus」の「〜大丈夫か!?」「かかってこいや!」という心構えを思い出しながら労働に励んだり。
その他色んな曲の歌詞を思い出して前向きに生きていこう、と強く思っている。
そんな風にこの数日で作り替えられてしまった―恐ろしい男である。

というわけでフォロワー諸氏においてはそういうツイートが今後増えるかもしれませんが生暖かい目でみまもっていただけると幸いです。とりあえずお給料入り次第PS4とこの方のライブDVDとかCDとかに使おうかと思います。バカでしょ考え直せという意見も絶対あるかと思いますがわかった上でこれなのです。御容赦ください。もし今後コンサートとかいって髪を金に染めてたら笑ってやって下さい。多分しないと思うけど………というかコンサート行った時点でだいぶアレだと思うんですけど………
そんなわけで。
以上、10年ぶりに3次元の芸能人にハマった話でした。

 

 

 

 

 

-次回予告-

二次元オタク、

 

 

ライブDVDを買う。

(とりあえず三個とも見ました、めちゃくちゃ面白かったです。その中から初回ということや演出面で特に衝撃を受けた2013年のライブの感想を現在書いています、完成したらこちらにも上げる予定です)